奈良県大和郡山市にある矢田寺の塔頭、念佛院の住職である同級生から、寺院の活性化と文化財修復の支援についてご相談を受けました。矢田寺は「紫陽花寺」として知られ、特に6月のあじさい祭りが有名ですが、それ以外の季節は比較的静寂な環境にあります。住職は、年間を通じて訪れる固定ファンを増やしたいとの思いを抱いており、充分に相談の上で以下の取組みを進めてきました。1. ウェブサイトの刷新とSNS運用まず、放置されていた念佛院の公式ウェブサイトをリニューアルし、最新情報やイベント案内をタイムリーに発信できるようにしました。その際、いたずらに今の流行りを追わず、矢田寺が持つ伝統的な雰囲気が伝わるようなデザインと内容を心掛けました。また、InstagramなどのSNSアカウントを開設し、住職自らがその視点で美しい境内の風景や行事の様子を定期的に投稿することで、多くの方々に寺院の魅力を伝えています。矢田寺 念佛院 インスタグラムはこちら矢田寺 念佛院 ホームページはこちら2. 文化財修復のための資金調達念佛院が所蔵する貴重な絵画や仏像の修復が必要な時期が迫ってきており、自己資金だけでは足りない部分を手当てする方法をいま相談しています。近年、神社仏閣がクラウドファンディングを通じて修復費用を募る事例が増えておりますが、一気にwebを通して資金を集めるというよりは、細くとも長く関係を築いて協力いただく方に心の安穏を感じていただけるようなことができないか、意見を出し合っています。まずはいまの状況を、支援いただける方や可能性のある方にどう伝えていくべきなのか、上記のSNS活用も含めて検討しているところです。3. 住職の思いと地域の伝統を活かした活動活動を進める中で感じたのは、住職自身の熱意と考えを明確に伝えることの重要性です。一人で考えをまとめるのも大事ですが、会話をする中で無意識な思いが浮かび上がってくることも多いので、投げかけを大事にしています。矢田寺念佛院は、古くから地蔵信仰の聖地として知られ、先祖供養や水子供養、納骨などを受け入れてきました。矢田寺 念佛院 ホームページはこちらこうした、ここにしかないオリジナルな伝統と環境を生かしし書道教室や写経会・写仏会などの文化活動にも力を入れながら、あじさい祭りなどの際には飲食の提供を行うコラボ先を住職自らが開拓したり、ヨガ教室を開催するなど、新たな試みを積極的に取り入れることで、協力者が増えてきました。今後も、地域の伝統を守りつつ、新しい風を取り入れた活動を続けていきたいと考えています。